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準備ニュース10
◆取材できなかった出来事
◆学習会報告(6) 広島-「水」−あれこれ
・汚れてきた太田川
・地下水の不思議−「名水」−
・水が文化を育てる
・水は自然が育てる−水環境との関わり方を見直そう
・フリートーク
◆インタビュー「サツキマス」のこと
◆あの優しかった可部の町は−(三)
◆グループ活動紹介(4) SALMOプロジェクト
◆投稿コーナー
◆掲示板
◆編集後記
準備ニュース 9
準備ニュース 8
準備ニュース 7
準備ニュース 6
準備ニュース 5
準備ニュース 4
準備ニュース 3
準備ニュース 2
準備ニュース 1 |
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【準備ニュース10号】 |
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水は自然が育てる−水環境との関わり方を見直そう |
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●森林が湧き水を育む |
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佐々木先生
「前に名水には山の自然が重要だといいましたが、いつ行ってもブナ林からは水がじわじわ湧いています。ブナ林を歩きますと、いたるところに湧き水を見つけます。ですが、僕も体験的に中根先生が前におっしゃった通りだと思うんですが、スギの若い林ですと、雨が降るとどっと茶色い水がでて、雨が降らないと水がなくなります。ブナ林は、もちろん雨水を蓄える力も強いでしょうけど、雨が降らなくても霧や雲がかかるとその水も蓄えるみたいですね。で、下は腐葉土でスポンジ状になっていて、表面積が広いからたくさん水を蓄えるようです。
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芸北町に雪霊水という名水の湧き水がありますが、臥竜山のほぼ山頂にあります。
山頂付近にあるのに水が絶えないんです。
それはブナ林が水を蓄えてくれているおかげです。
逆に、吉和村の十方山などでは、ブナ林を伐ってから水が少なくなったと地元の人が言っています。 |
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針葉樹のスギ林でも、四十年以上にもなると、湧き水があります。スギというのはもともと水の多いところじゃないと生えないんで、私の知り合いの井戸屋さんなんかは、スギ・ヒノキの自然林のあるところとコケのあるところを見て井戸を掘ります、水源探査をします。だから天然スギのあるところに無理やり広葉樹林を植えるのはよくないそうで、天然スギのあるところにはスギを植えた方がいいそうです。
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詳しいことは分りませんが、地元の人のお話などを総合すると、古いスギ林や広葉樹林からは湧き水がたくさん出ることと、スギの若い林からは湧き水はでないことは間違いないようです。
ただ、スギ林では何年生ごろから湧き水が出るのかは意見がわかれるみたいですが・・・。」 |
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●ヨシが水をきれいにしてくれる |
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佐々木先生
「上流では森林が川を育ててくれますが、中流や下流では水辺の生き物たちが水をきれいにしてくれます。
瀬野川には葭がたくさん生えてますが、ヨシの自然浄化能はすごく強いんです。ヨシがあると水がすごく清澄になります。
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ヨシが根を張ります。ヨシの根はひげみたいになって、フイルターのような役目をします。水が流れてきて、ヨシの根に汚れ物がひっかかります。水生昆虫なんかがその汚れ物を食べます。その水生昆虫を魚が食べたり、カワニナが食べます。それを蛍が食べます。いわゆる自然のエコシステムで、水がきれいになります。ヨシが窒素とかリンを吸収するのは夏だけで、そんなに多くありません。冬でも汚れを分解してくれるのはヨシではなくて、ヨシの根があることで出来上がるエコシステムなんです。実際ヨシがあると、石にコケがつきません。シュミレーションしてみると、ヨシの原の面積が広島市民球場の十一倍ぐらいあれば、たとえば瀬野川の上流の熊野町の人口が増えて有機物の負荷が大きくなっても、そんなに水は汚れません。
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だから、水の汚染を抑えるためにも、コンクリート張りの護岸はあまりよくありません。これはドイツの例ですけど、日本でも最近コンクリート護岸を多自然型護岸に替え始めました。あとの手間はなかなか大変なんですが。また、山口市中では蛍護岸といって、最近は川岸にせり・よもぎ・柳を植えて、段差をつけて蛇行させて、蛍を復活させようというやり方も実施され始めています。
余談になりますが、宮島のもみじ谷は、実は下が全部コンクリートで、その上に多自然型護岸を造っているんです。もとの谷は枕崎台風で全部崩れました。最初はコンクリートで復旧しようとしたんですが、時の町長さんが、「宮島のもみじ谷にコンクリートを露出させることは、美人が顔にわざわざ傷をつけるようなものだ。」と言って大反対した話が残っています。それで東大からえらい先生が来て、ものすごいお金をかけて、今の護岸を造りました。ここの水はいまもきれいです。見事な多自然型工法の典型です。」
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●水はとてもデリケートなものである |
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佐々木先生
「逆に、ちょっとした人間の仕業で、名水が全くだめになってしまうことも少なくないです。こんな話があります。あるところで、洪水がなくなるんだったらいいよ、ということで、護岸工事をしました。前は川の水が自然護岸からじわじわしみこんで、横の集落で井戸水が出ていたんです。ところが護岸工事をすると地下水位が下がって、五年たつと井戸が涸れてしまった。何とかしてくれといったら、井戸を掘ってくれたけど、鉄の多い、水道法では飲める水だけど、豆腐屋さんが豆腐を作れなくなって、廃業したと聞きました。
府中町のキリン麦酒の跡地の上に出合清水という名水がありましたが、今は「この水は飲めません。」という立て札が立っています。大腸菌O―157が出たんです。昔はいい水だったそうですが、上の方に団地とかができて山の木を伐ったりして様子が変わりました。O−157がでるということは確実に排水が流れ込んでいる、配水管から下水が漏れたりしているということです。広島だけじゃないと思うんですけど、工事するときに配管なんかを適当にやるんですね。コンクリートもいい加減に打ったりする。そうすると、数年経つとコンクリートがボロボロになって、汚水がしみだしてくるとか、ちょっとした地震があると、もうだめとか、こないだ地震がありましたが、あれぐらいでもいいかげんな工事だったら崩れてしまいます。きちっと工事していないとちょっとしたことで名水がだめになります。出合清水はそういう例です。
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いろいろお話しましたが、もともと広島は水がきれいなところです。工夫をすれば水は守れます。有難うございました。」 |
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● 汚れてきた太田川 |
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● 地下水の不思議−「名水」− |
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● 水が文化を育てる |
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● 水は自然が育てる−水環境との関わり方を見直そう |
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● フリートーク |
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