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【準備ニュース6号】

ぐるーぷ活動紹介
 第1回 「デポジット法制定ネットワーク広島」

 今月号から、流域で様々な取り組みをしておられるグループや個人の方の活動を、ご紹介させて頂きます。第一回目は,「デポジット法制定ネットワーク広島」(デポネット広島)です。

 「準備ニュース」の取材や、新聞発行の準備会で、実に多くの方々から、太田川を流れるゴミを、あるいは河原に散乱するゴミをなんとかできないものか、そして、地道にゴミ拾いをしておられる多くの方々、グループが元気になって下さるような記事を作れないか、という声を頂きました。川に散乱するゴミは、まさに現在のゴミ問題の一つのあらわれで、私たちが「ゴミを捨てることは得にはならない」という気持ちにならない限り、決してなくならないのではないでしょうか。

 現在、「ゴミを捨てるより、リサイクルの輪の中に入ったほうがメリットが大きい」、そう感じることのできる仕組みとして、デポジット(預かり金)制度が注目されています。すでに欧米や台湾韓国などでは、20年以上も前からこの制度が導入されはじめ、成果を上げています。デポジット制度とは、ビール瓶などのように、商品の代金に容器代を加えて支払い、容器を返却すると容器代を払い戻すシステムのことで、電化製品のように、製品そのものを使用後に返却すると、一定金額が払い戻される場合もあります。この制度の特徴は、まず、太田川でも問題になっている、散乱ゴミの減少に効果があることです。また、商品の製造、販売、消費に関わる人が公平に廃棄物の処理費を負担することで、結果的にリサイクルの促進とゴミの減量が期待できます

 「デポネット広島」は、この国でもデポジット法を制定させよう、と頑張っている広島のグループです。事務局長の原戸 祥次郎さんに聞きました。
 
 

仮事務局 「この機械(左の写真)は何ですか?」

原戸さん 「これはデポジットマシンとも言われていて、現在、世羅町に入っているものです。

 飲み終わったビンや缶、捨ててあったのを拾ったのでもいいんですが、それを、この機械に入れます。そうすると、缶やボトルに打ってあるバーコードを読んでメーカーを認識した後、缶ならアルミとスチール、ボトルなら色別に分けて粉砕し、回収できるようにします。

 この機械の面白いのは、預り金の戻し方に、いろんなパターンを作れることです。現金が出るようにしたり、入れた缶やボトルの数によってポイントを計算して、券やカードに打ち出すこともできる。それを、町内の医療機関なんかで現金のかわりに使えるようにもできる。


今のところ、世羅町以外に、河内町、福富町に入っています。熊野町、黒瀬町、川尻町でも考えているらしいです。それで、やっぱり、缶のポイ捨てはみるみるなくなってきた。それだけじゃなくて、子どもたちや老人会が拾って持ってきたり、遠くからでも持って来るそうです。

 機械のリース代は安くはないんですが、掃除する手間賃を考えると、決して高いとは言えないと思います、なによりポイ捨てがなくなりますから。環境にやさしい生活をしたら、それだけ何らかのメリットがありますよ、利益がありますよ、というのはとても大事なことだと思います。ビール瓶は酒屋さんに戻したらお金をもらえるから、捨てないじゃないですか。私は、何年も前から、なんでこの制度にならないのか、不思議に思ってましたよ。」

 

 仮事務局 「そういえば、昔はジュースもビンで、戻していましたよね。あれはなんで急に使い捨てに変わったんですかね。」

 
原戸さん 「なんで使い捨てになったか、というと、今はリサイクルするより、捨てる方がずっと安くつくからなんです。そんな馬鹿な話はないんですが、昔はビンも缶も価値があったから、リサイクルやリターナブルということもやられてきたと思うんですよ。デポジットというのは、容器に価値を持たせ捨てたら損をする、それだけのことなんです。それに、昔は、新しいものが高くて、古いものが安かった。今は、商品の価値が下がって、新しいものの方が安くなっている。ペットボトルも、安く出来るので、捨てた方が安くつく。だから、捨てたら高い、新品よりリサイクルした方が安くつく、そういう仕組みを作るべきなんです。」

 仮事務局 「会の活動としてはどんなことをしておられますか?」

 原戸さん 「学習会と、行政への働きかけの二本立てでやってきましたが、今後もそうなると思います。学習会では、県や市のゴミ問題担当の方や大学の先生のお話を聴いたり、進んだ取り組みをしているドイツの様子について報告して頂いたり、角度を変えてゴミ問題のことを考えてみよう、と企画してきました。おかげで、いろんな視点を学ぶことができました。

 行政への働きかけですが、まず、県内の市町村に、国に対して「デポジット制度の導入を求める意見書」を提出して頂けるよう陳情書を送りました。現在までで、11の町が意見書を上げてくれました。それから、広島県関係の国会議員さんに、デポジット制度の請願書の紹介議員になって頂けるよう、党派に関係なく手紙を出しました。衆参両院に提出する署名運動もやっています。そういえば、さっきのデポジットマシンを、来年のフラワーフェスティバルに設置してもらえるよう、広島市長にお願いしてきました。

 これからですが、学習会は、いい講師さんを見つけて、続けていきたいですね。この問題のことをもっと深く知りたいですから。行政への働きかけも、もっと積極的にやりたいですね。どんなふうにやろうか、思案しています。いい知恵はありませんか。」


 仮事務局 「デポジット法制定への手応えはどうですか?」

 原戸さん 「県内11の町が意見書を上げてくれたのには、ある意味驚きました。でも、一番ゴミ問題で困っているはずの広島市の議会が全く乗り気じゃありません。この前、会の人たちが東京で、環境庁とかの人と話をすることがあったんですけど、容器包装リサイクル法が機能していますと、いうことで、国にも今のところデポジット法制定への空気は全くないようです。長期戦になる可能性大です。しんどいけど、粘り強く行かなくちゃだめでしょうね。」
 


 仮事務局 「なにかメッセージはありませんか?」


 原戸さん 「事務局スタッフを担ってくれる方がいらっしゃればうれしいです。若い人にも参加して欲しいな。素人の運動なので、難しいものじゃなくて、楽しい集まりになれば、と思っています。」

 「デポネット広島」に参加を希望される方、デポジット法についてもっと知りたい方は、0822936531 原戸さんか、0828749171 狩野 美紀子さん(代表)まで。(文責 原 哲之)
 
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