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グループ活動紹介(3)「広島ゴミ0研究会」

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【準備ニュース8号】

グループ活動紹介(3)「広島ゴミ0研究会」


 このコーナーでは、流域で様々な取り組みをしておられるグループや個人の方の活動を、ご紹介させて頂きます。今回は、「広島ゴミ0研究会」です。

 太田川ではたくさんの方々が、懸命に河原に散乱するゴミを拾って下さり、そのおかげで私たちは美しい川辺を楽しむことができます。

 では、その拾われたゴミはどこに行くのでしょうか。消えてなくなるわけではないので、私たちが普通に出すゴミと一緒に、焼却などの処理を経た後まとめてどこかへ埋め立てられているようです。美しい水源の山あいや河口の干潟のような、普段は私たちの目に付きにくい場所に、隠すように埋め立てられていきます。

 せっかく川のゴミをきれいにしても、それを集めて私たちの水の源に隠したのでは元も子もありません。しかし、これが現実に私たちが所属している社会の仕組みで、散乱ゴミの問題も、結局は私たちの社会全体のゴミ問題の一部だと言わざるを得ません。

 私たちはゴミを捨てる時点、あるいは私たちがゴミになる物を買う時点、もっといえばゴミになる物を生産し、販売する時点へさかのぼって考えていかなければならないようです。

 本ニュースでは、この土地のゴミの問題について、できるだけ広い視野から、ゴミの問題をさまざまな角度から見つめ、行動しておられる取り組みをご紹介させていただきたい、と考えています。

 今回は、日常の生活の最も身近なところからひとつひとつ考え、実行しながら、その問題点について行政にも積極的に提案しておられる「広島ゴミ0研究会」(山下 きよし代表)を紹介します。会のミーティングに参加して、その活動について教えて頂きました。以下は会員さんたちとの会話です。
 

仮事務局 「会を結成されたきっかけは?」

ゴミ0 「現在白木町にゴミ処分場建設の動きがありますが、そういうものを必要としない生活を作るにはどうしたらいいか、何ができるか、勉強しながら考えてみようよ、ということで昨年から始めました。」

仮事務局 「どんな活動をしてこられましたか?」

ゴミ0 「何はともあれ、私たちにできることはゴミを減らすことですから、どうすれば日常生活で出すゴミの量を減らすことができるか、考えてきました。それと、現在はゴミを処理していく過程で、いろんな種類の有害物質が出てしまいます。それを極力なくすにはどうしたらいいか。普段ゴミを出す時にどんな注意をすべきか。ここから具体的に丁寧に考えることにしました。

 現在,広島市では各家庭に『家庭ゴミの正しい出し方』というマニュアルを配布して、分別の仕方を指導しています。私たちはマニュアルの一つ一つの項目について、より良いごみの出し方は何か検討していきました。

 マニュアルに従ってゴミを出すことで、ゴミの減量と有害物質の排出の防止に結び付き、リサイクル可能な物が全て分別され、また収集や処理を行う作業員さんたちが安全に作業できるようになる必要があります。

 しかし、市が配布しているマニュアルでは表現が紛らわしかったり、言葉足らずだったりするところが少なくないことに気がつきました。そこで、実際にこのマニュアルに従ってゴミを出す市民の立場から、分かりやすく、できるだけ痒いところに手が届くような改良案を作ってみました。

 作った改良案を持って広島市の環境局を訪れ、マニュアルの改良を提案するとともに、市のゴミの処分の仕方について意見交換をしました。意見交換はこれからも続けていくつもりです。」

仮事務局 「最近取り組まれたことは?」

ゴミ0 「現在広島市では、大型ゴミ収集有料化を決定しようとしています。しかし、安易に有料化する前にやるべきこと、考えるべきことがあるんじゃないか。

 『ゴミ0』でも検討して、デポジット的な制度を作ることや、リサイクルセンターの設置、不法投棄の徹底的な取締りなど、結果的にリサイクルが促進されるような仕組みをいろいろ工夫するべきではないか、という結論に達しました。

 それを意見書にして、市の環境局に提出しました。また、学習も兼ねて、この間開催された広島市廃棄物処理事業審議会を傍聴してきました。」

仮事務局 「行政との意見交換に力を入れておられるようですね。」

ゴミ0 「ええ。現在、私たちが日常出すゴミを集め、処分してくださっているのは行政です。お互いに対等に協力し合ってより合理的なゴミの出し方を探ることが大事だと思います。だから、市が実施(しようと)している施策の一つ一つ(ペットボトルの回収の問題や、大型ゴミ有料化の問題)についても、疑問や提案を積極的にぶつけています。」

仮事務局 「住民もよく学び・実践しながら、いかにゴミを減らし、その質を変えて、埋め立て・焼却行政から抜け出せるか、行政と対等に意見交換する必要があるということですね。」

ゴミ0 「その意味で、広島市の市政の方向を決める市議会の議員さんが、いまゴミの問題のことをどう考えておられるのか、今年の春に議員さん・市長さんにアンケートを行いました。」

仮事務局 「アンケートの手応えはどうですか?」

ゴミ0 「私たちと同じように、多くの議員さんが現在のゴミを取り巻く状況に危機感を抱いておられ、商品の製造の段階から、最終的な廃棄物の質・量が変わっていくような経済的なシステムを作らなければならないと感じておられるようです。

 一方で、国の政策の下請け的な役割を担わされている地方自治体では独自の対応をすることが難しく、無力感を持っておられる(それを言い訳にしておられる)観もあります。

 しかし、ゴミ問題の現場にいるのは住民と地方自治体なのですから、現場からの痛切な思いや提案を国や企業に対して厳しく指摘していくことは、地方議会の権利でもあり義務ではないか、そのために私たち住民も声をあげていかなければいけない、と思います。」

仮事務局 「今後はどんな活動を?」

ゴミ0 「できることを少しずつ考えていきたいですが、会の活動というより会員の個人の活動として、グリーンコンシューマーガイド作成のための店舗調査員をしています。ゴミの問題は、私たちが商品を買う時から意識していかなければいけない問題だと思います。

 私たちが出すゴミについて、よりきめの細かい学習も続けていきたいと思っています。たとえば、使えなくなった蛍光灯をゴミに出す場合、水銀の問題があるので、出す方も割れにくいように包み、集める方も丁寧に扱う必要があります。

 日ごろ使っているものには、微量でもとても毒性の強い物質が含まれていることが少なくありません。それぞれのゴミがどのように集められ、最終的にはどこに行くのか、きちんと頭に入れて行動すべきだと思います。自分たちが出すゴミの中味をよく知った上で、生活者からの提案を行政などに続けていきたいと思います。」

仮事務局 「メッセージをお願いします。」

ゴミ0 「不定期ですが、広島市のボランタリー総合支援センターでミーティングを開いていますので、お気軽にのぞいてみて下さい。私たちが作ったマニュアル『家庭ゴミの正しい出し方』や市議会議員へのアンケート結果の報告書をご覧になりたい方も、ふるってご連絡ください。」

仮事務局 「有難うございました。」
 

「広島ゴミ0研究会」の活動に興味を持たれた方は、
Tel 082−220−0745(夜) Fax 082−503−3404 山下さん、

Tel 082−888−4541(夜) 西塔さん、
Tel 082−845−6358 菱山さんまで。
 
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