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根の谷川で魚が斃死

「川」に寄せて−『瀧』

川・百話 第二話

水の道をたどる(2)

掲示板

仮事務局から

編集後記

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【準備ニュース4号】

根の谷川で魚が斃死
 
 太田川水系根の谷川で、六月五日午後魚が大量に死んでいるのを住民が見つけ可部署などに通報した。

 場所は安佐北区三入三丁目付近。

 六日昼までに、太田川漁協などが体長十五センチ前後に育ったアユをはじめ、ハヤ、シマドジョウなど約二百五十匹を回収した。

(中国新聞六月七日付朝刊より)。

 仮事務局では、まず、斃死の原因を調査している建設省太田川工事事務所に問い合わせた。しかし、解剖を行ったのが死んでから一定の時間を経ていたため、原因を特定することはできなかった、また、その後、新たな斃死の情報は無いと言う。

 十四日、仮事務局はわずかではあるが、魚が浮いた現地を歩いてみた。近くにお住まいの方のお話では、死体が見つかった場所で魚が死んだとは考えにくく、少し上流で死んだのが流されてきたのではないか、と言う。その上流には、いろんな施設(地図を参照されたい)があるので、原因(渇水・高水温による酸欠の可能性も含めて)ははっきりしないだろう、とも言っておられた。斃死の現場は高瀬堰(百数十万人の水がめ)のわずか数キロ上流でもあり、調査機関にはうやむやにしない姿勢が望まれる。(原哲之)
 

 
←魚の斃死が見つかった現場

(写真の右手には養魚場がある、下流に見えるのは小学校、子供たちや魚への影響も心配だ)
 

アユ漁解禁
 
←発電所放水口の水流を利用した釣り

(太田川橋下、船のミヨシの方から放水している)

 太田川と太田川上流では、六月一日にアユ漁が解禁された。スタート当初の川や魚について、太公望たちの印象を、わずかではあるが、現地と電話で取材した。ご協力に心より感謝致します。

 Aさん 安佐町野冠橋上流で取材 (十四日)

  「最初の一週間は良かったが、今は落ち着いてしまいました。去年問題になった冷水病は、よそでは付きだした所もある、と言う噂もありますが、ここでは今のところ大丈夫です。ただ、今年も河床は悪い。カジカが鳴いているくらいだから(取材中も鳴いていた)水は悪くないと思いますが、いい苔が付いてない。匂いのするアユがいない。よく分かりませんが、西宗川なんかの支流の上流で開発や工事なんかがあって、泥水が出るようになったことと関係あるかも分かりません。特にひどくなったのは、三・四年前からです。原因をきちんと調べてくれるところはないですか。」


 Bさん 加計方面で釣っていた。十七日、電話で取材。

  「最初の十日間は良かった(形は近年になく小さかった)が、十日頃から冷水病(おそらく)が付き出して、その頃からあまり良くありません。死んだアユや、狂ったようにくるくる回りながら流れているアユも見かけました。最近、河床が悪くなった理由の一つに、川の水量が少ないことがあるような気がします。」

 Cさん 高瀬堰の下流で「コロガシ」で釣る。十二日、電話で取材。

  「今年は数としては釣れています。出足は去年よりは良いです。冷水病も見られません。今のところ、ゴミも気になりません。ここのところ大水がでてないので、川の様子で特に気になるところはありません。」



 特に高瀬堰より上流では、河床(底)が悪くなったと言う話をしばしば耳にする。確かに、橋の上から眺めただけで、川底の色が一昔前と全く変わってしまっていることが見て取れる。その原因について、水の汚染、工事、温井ダム建設、流量の減少などいろんな説があるが、推測の域を出ていない。

 かつて鉄穴流しなどで大量の土砂が流出していた時代には、この川には立派な天然アユが豊富にいた。現在の状況は、ただ上流で工事していたから、というのでは説明がつかない。工事の仕方や、水質的、生物的な様々な要素が複合しているのではないか。太田川を死の川にしないために、腰を据えた原因の調査、本質から目をそらさない対策が望まれる。

今後も出来るだけ広く聞き取りを続けていく予定です。情報をお寄せ下さい。(原哲之)

 
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