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太田川
市民フォーラム
基調講演
プロローグ
第一部
・太田川と広島カキの将来
・アユ資源の復活を目指して
第二部
・ダム(発電など)の負担を減らし、アユの自然な遡上の回復を!
・流域圏の環境保全と共生のありかた
・太田川河川整備懇談会における検討状況(治水を中心として)
・太田川の水質と「鮎とカキがよろこび、泳ぎ遊べる太田川」
太田川再生プロジェクト検討委員会~委員からの発言から~ |
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太田川再生市民フォーラム~太田川の未来を語ろう~(2008年 4月 別刷り)
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プロローグ 太田川ってどんな川? |
本誌編集部 岩本有司(広島大学大学院生物圏科学研究科) |
気候と地勢
● 全長=103 km、流域面積=1710㎢、流域人口=98万人
● 上流部は中国地方で最も雨が多い(年平均2500mm、冬の積雪も多い)
下流部は瀬戸内海の少雨 地域
● 北東一南西に多くの断層があり、それに沿って支流が流れる本流は断層を横切る形で流下
● 上流と下流が直結している(中流のない川)可部から上流は山の中を流れ、渓流に近い川の景色
土地利用
● 流域面積の89%は山林(住宅市街地は7%、農地は4%)
● 戦後植林された人工林は、間伐などの手抜きのため荒廃が進んでいる
● 下流デルタ地帯のほとんどは江戸→明治時代に干拓された沖積地
中四国の中枢100万都市広島は三方を山に囲まれ密集した市街地は山の裾までおよぶ、
一方上流は過疎に悩む山村集落が点在する
● 沿岸部には自動車などの工業地帯
● 広島市内6つの川の市街地にしめる水面面積も大きい~「水の都ひろしま」構想で整備が進む
水利用
● 広島市と呉市は明治時代以降、軍都として発展、そのエネルギー供給のため明治45年亀山発電所をはじめ多くの発電所建設(現在15発電所)
● 発電川の取水とそれをつなぐ導水管に多くの水がながれ、可部から約60キロ区間は流水が減水している 特に津伏堰では、本流の3分の2の流水が取水され太田川発電所の下流右岸で、放水される。その際の水温が低いことなど生物、特にアユヘの影響が心配されている
● 高瀬堰などから取水し広島、呉、東広島、江田島、竹原の5市、大崎上島、府中、海田、坂、熊野の5町の上水道を供給。工業川水は、広島市、呉市の自動車、鉄鋼、パルプなど工場に供給している
● 水道用水、工業用水利用のため、江の川水系 土師ダムから1日30tの分水を受け、高瀬堰に貯水している
災害・治水対策
● 昭和18、47、平成17、に大洪水、水系に初めての治水機能をもった温井ダム平成13年に完成
● 下流では昭和7年から太田川改修工事着工。昭和40年、太田川放水路が完成、以後市街地の浸水被害を軽減している
● 上流、中流は堤防未改修部分が多く、これからの整備の課題になっている
● 広島湾は潮の干満差が大きく、市街地が南に開いて台風の吹き寄せを受けやすく高潮の心配が大きい
● 広島湾の高潮対策は 東京湾、大阪湾に比べて遅れている。
自然環境・水質
● 最上流部では細見谷渓畔林、三段峡など山はブナ、ミズナラの自然林に覆われ、貴重な生物の宝庫
● 瀬と淵が発達して、中下流の瀬ではアユの釣り場、支流には天然記念物のオオサンショウウオが生息、発電による流量の減水は維持流量をふやしてアユなどの生息環境を守る必要がある
● 下流、高瀬堰下流はアユの産卵場、天然アユ復活を目的にこの5年間親魚の放流が続けられている。
● 太田川のアユは一昨年、全国のアユ品評会で準グランプリを獲得、近年、東京の高級料亭で太田川ブランドのアユは珍重される
● 本流、支流の水質はBOD75 %値で、ほぼ環境基準値を満足している
● 100万都市、市街地の河川ではシジミ漁が行われ、全国第6位の生産(年間147 t)をあげている
● 広島湾のカキ養殖は、太田川からの栄養で育つ、「森は海の恋人」のスローガンで漁協による植林が毎年続けられている
● 平成15年に制定された「水の都ひろしま」構想によって、オープンカフェや水上交通ネットワークづくりが進み国、県、市が魅力ある都市づくりを実施している
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