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◆水内川に昨年の土砂災害の影響残る
◆関川ダム建設事業に中止勧告
◆「野冠で水遊び」レポート
◆グループ活動紹介(2)「もりメイト倶楽部広島」
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◆編集後記
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準備ニュース 1【準備ニュース7号】
ぐるーぷ活動紹介 第2回 「もりメイト倶楽部Hiroshima」
このコーナーでは、流域で様々な取り組みをしておられるグループや個人の方の活動を、ご紹介させて頂きます。
今回は、「もりメイト倶楽部Hiroshima」です。
現在、太田川流域では、「川筋の山が荒れ、それが結果として川を以前とは全く違った姿にしてしまった。」という声が中・上流域の広い範囲であがっています。川筋に暮す方々にとっては、昨年の集中豪雨・台風による土砂災害によって、その山の問題が、身近な危険としてますます切迫したものになってきています。山をどう手入れし再生させるかが、緊急の課題になっています。
なんとか手入れの行き届いた里山・山林を取り戻そうと、行政・民間を問わず、多くの個人・グループが、さまざまな形で取り組みを始めておられます。本ニュースでは、その活動を少しずつご紹介していきたい、と考えています。
今回は、ある里山をしっかりと手入れすることを通して、林業の基礎的な技術を磨き、ゆくゆくは森林ボランティアリーダーとして「困っている山の手入れのお助け隊になりたい」、と日々楽しく頑張っておられる「もりメイト倶楽部Hiroshima」(見勢井 誠会長)の活動を事務局長の山本 恵由美さんに聞きました。
仮事務局 「どういうきっかけで、結成されたのですか?」
山本さん 「国が1989年、林業白書に『国民参加の森林(もり)づくり』の項目をおこし、96年度には「ボランティア活動による森林整備」の項目を作りました。その流れで、平成八年度に広島市が、『市民参加の森林(もり)づくり』という事業を始めました。
その一つの部門に、『もりメイト養成講座』というのがあった(今も続いている)んです。
私もこれ(第一期生)に応募して、運良く参加することができたんですが、この講座では、一年間、下草刈から枝打ち、間伐、松の枯損木の伐倒、と山仕事の基本的なことを、プロの方がほとんどマンツーマンの形で教えてくださるんです。
一年間で季節に応じた作業を学ぶんですが、山の仕事は、一年勉強しただけでとても身につくものじゃありません。それに、講座が終わったからといって、森林ボランティアとして動ける場もありませんでした。
それで、平成九年に、第一期生の皆さんと、このままじゃあもったいないね、もっと腕を磨きたいね、と話しているうちに、このまま活動を続けるグループを作ろうよ、ということになったんです。
そうしたら、市が白木町(広島市安佐北区)の共有林に声をかけてくれて、村の共有林(12ヘクタール)をフィールドとして利用できることになったんです。私たちに指導をして下さった、行政の人やプロの方も参加してくださることになりました。
それが『もりメイト倶楽部Hiroshima』のスタートで、それからずっと、白木町の共有林が私たちのメインフィールドなんです。私たちより後の、市の養成講座の卒業生さんも、順次会員になってくれています。」
仮事務局 「具体的にはどんな活動を?」山本さん 「まず、メインフィールドの、白木町の共有林の手入れをしっかり続けること。山仕事の腕を磨くこと。チェーンソーなど道具の整備から、全てある程度のことができるように、努力しています。
毎月一回(第四日曜)の例会で、共有林の手入れを続けています。一つの山と長く向き合うことで見えてくること、身につくこともあるだろうし、なにより、お世話になっている白木町の方々に、『もりメイトさんが来てくれたおかげで、ええ山になった』と言われるようになりたいです。
地道にやってきたおかげか、少しずつ技術もレベルアップしてきて、今年は年間六十名以上を、講師として派遣できるようになってきたし、昨年から部会も立ち上がりました。
『出前林業部会』では、会員同士が手入れに困っている山に出向いて、作業のお手伝いをしています。
『里山部会』では,山の手入れの持つ意味を、もっと広く考えて、落ち葉かきなんかをやって、里山に元々あった植生を取り戻そうとしています。
『農業部会』は,その集めた落ち葉で堆肥を作ったりして、本来山の手入れがもたらしてくれていた循環を、たのしみながら学んでいます。
『クラフト部会』では,間伐材を利用しています。
炭焼きをしたり、木の実を酒に漬けたり、と山の恵みを味わいながら、しっかりとした技術、考え方を身につけるよう、知恵をしぼっています。」
仮事務局 「将来的に目指していることはなんですか?」
山本さん 「プロではありませんけど、技術集団になって、困っている山の手入れのお手伝いができるようになりたいですね。
しっかりとした戦力を派遣できるようになりたい。山林所有者とか森林組合、行政から仕事を委託されるようになりたいです。また、今、森林ボランティアが増えつつありますから、私たちの会で、そのリーダーになれる人を育成していきたいですね。
でも、ボランティアに対するニーズも高まりつつあるんですが、なかなか実際に山に入ってボランティアが仕事するには難しい側面もあります。その辺のコーディネイトも、私たちの会の役目になってくるのかな、と思います。
今の山の現状と、それに対してできるところから動いていくことの大事さを、都市・山元の両者に伝えていく、発信していくことが、私たち森林ボランティアの大きな使命になってくると思います。」
仮事務局 「これまで活動されていて、何を感じられますか?」
山本さん 「もう山元の人だけでは山は守れない、そういうところまで来ているような気がします。
山元、都市、行政の三者が力を合わせていかなければならない。新しい仕組み(システム)を作らないとだめだと思います。でも、現段階では、思い・危機感は一緒でも、まだ、それぞれの間にずれというか、隔たりのようなものを感じます。
その壁をなくしていくのに、どうしたらいいのか、『もりメイト』の果たすべき役割はなんだろうか。具体的に動いていく中からその辺の答えを探していかなければ、と思います。」
仮事務局 「何かメッセージはありますか?」
山本さん 「市の養成講座卒業生以外の方でも、入会できますので、興味のある方は、お気軽にご連絡下さい。初心者も大歓迎です。
楽しみながら、でもまじめに山仕事を学ぶ会です。他のグループさんのお手伝いもしたいので、情報交換しましょう。
山元の方、山林を所有されている方で、私たちの活動に興味を持ってくださる方がいらっしゃれば、どうかご連絡ください。 私たちは、少しでも山の手入れのお手伝いが出来れば、と、真剣に考えています。」
←共有林での作業風景
もりメイト倶楽部Hiroshima」の活動に興味を持たれた方は、Tel.082−221−1080
Fax 082−221−2341
E-mail meisouen@po.cisnet..or.jp
山本 恵由美さんまで
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