顧問を引き受けるにあたって 渡 康磨 
2006年 6月 第62号


 一番言いたいことは川の様子が昔とまったく違ってしまったことです。昔はこの辺で毎秒30tは流れていた。今は毎秒5tしか流れていない。津伏堰で中国電力が発電の為25t取水し、それより上流が25t、合わせて50tが発電所を結ぶ導水管を流れているんです。最下流の太田川発電所から放水される水量が毎秒50tです。

 また6年前に温井ダムができて上流のダムが4つになった。ダムの水は濁っています。水が少ないし水が澄んでいない。川は魚が棲む所です。魚にとってよい所でなければ本来の川の姿ではありません。広島湾でもアユの仔魚が冬に育つ干潟がつぶれたから育つ場所がない。アユだけでなく海の魚も育たない。なんとか昔の川や海を取り戻さなければなりません。

 ようやく去年は、関係者が集まって研究していこうということになったようです。太田川発電所が明治の終わりごろ作られて100年近くになりますが、今まで100年かけて自然を壊してきた。この自然を取り戻すには100年かけて取り組むつもりでやらねばならないと思います。
 
 
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