夏休みは「海」と「アニメ」 2008年 7月 第87号

 
【夏休みなんて!】

 友人「夏休みじゃろ?」
 藤井「んっ?大学はね。」
 友人「暇じゃろ?」
 藤井「そんなわけないじゃん。暇じゃないわっ! 学生は休みでも職員は休みじゃないし」

こんな会話を毎年のようにやっているような気がする。学生が夏休みになると学校全部が休みになると思われているようだが、実際はそんなことはない。大学の仕事は学生の教育も勿論だが、研究というのも重要な仕事にひとつだ。研究には休みなんてない(盆休みはさすがに休むが・・・というか、とらないといけないルールになっている)。

 そもそも、水産大学校4年生のときから夏休みなんてあってないようなモノだった。それは大学院に進学してからもそうだ。何せ、夏は”海”研究には絶好の季節なのだがから、休めるわけがない。休むなんてもったいないくらいだ。

 思い返せば、大学校4回生の夏は、飼育で時間が費やされた。海洋生物を扱う学科だったので、どうしても生物実験はかかせない。実験したければ飼育が不可欠というわけだ。当然、飼育するとなれば人間の都合で休むなんてありえない。それぞれの学生は自分の研究にしたがって、魚、エビ、貝、海藻、微生物、おもしろいものではニホンザリガニを育てていた。私の場合は、クラゲだった。当時、私の所属していた研究室には10種類ぐらいのクラゲが居た。それぞれのクラゲでえさの与え方や海水温の調整が異なっていたので、一日数時間は飼育室で過ごしていた。幸い、夜中の観察をする予定は組んでいなかったので昼間だけでよかった。

 こんな生活をずっとしているので、現在も夏はバリバリに”海洋”研究だ。その勢いで指導学生(大学四年生、大学院生)には「今年は夏休みはないぞ!」な〜んて言ってみたりもする(実際に無い)。学生からしてみれば「最後の夏休みなのに・・・」なんて思いがあるだろう、きっと。しかし、世の中そんなに甘くはない(厳)。

 【夏はジブリ♪】

 夏になれば、子ども向け番組が増えてくる。アニメもよく放映されるようになる。最近制作されたアニメにはあまり興味はないが、ひと昔のアニメもよく放映されているので、そちらは懐かしい想いで、ついつい皎てしまう。特に’ジブリアニメ”なんて注目だ。「火垂るの墓」をみればウルウルしてしまうし、「となりのトトロ」では”夏”を感じる。これらはちょうど私か小学校のときの作品で、私にとってはいちばん入り込みやすいお年頃だった。感動のツボといってよいくらいだ。

 さて、今年もアニメの季節がやってきた♪ それも今年はジブリアニメの新作がでるらしく、日本テレビ系列局はジブリアニメのオンパレード。「風の谷のナウシヵ」、「耳を澄ませば」、「ゲド戦記」、「となりのトト囗」。毎週金曜日はさっさと家に帰ろうという気になる。



 【くらげだらけ!】

 先日から、ジブリアニメの最新作「崖の上のポニョ」のコマーシャルが流れ始めた。

  ポーニョ ポニョ ポニョ さかなの子
  青い海からやってきた
  ポーニョ ポニョ ポニョ ふくらんだ
  まんまるおなかの女の子♪

主題歌は、もう昨年から流れている気がするが、映像までついて流れているのはついこの間からだろう。きっと、今年の夏はこの映画がはやるんだろうな〜〜〜〜。そう思うのだが、私はあまり映画館に行かない。今住んでいる松山の家は、五分も歩けば映画館があるのだが、それでも行っていない。嫌いじやないんだけど。どちらかというと映画はテレビ待ち・…という気持ちが強い。迫力ある映像より家でゆっくりと堪能する・・・(なんて映画館泣かせの発言なんだろう)。

 「崖の上のポニョ」のCMを観てみると、なんとクラゲ(ミズクラゲか?)だらけ。私のためにある映画かと誤解してしまうほど。今回は観に行こうかなあ。

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(追伸) 前号で鈴木さんから小説「深海Yrr」に専門家からのご意見を!という投げかけがあった。海洋学研究の「ひよこ」研究者としては意見を書こうと思っていたのだが、原稿締め切りまでに小説が届かず・・・。なかなか人気の小説のようだ。というわけで、次回の若者放談にはこの小説についてコメントしようと思う。
 
 
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