太田川ポスター最優秀賞

本誌会員浦田さんの愛娘 加代子さんの遺作
2005年9月 53号


 本誌の賛助会員、浦田伸一さん(40)の愛娘で、ノートルダム清心中学2年、浦田加代子さん(14)が遺したポスターが国土交通省太田川河川事務所が河川愛護月間に募集したポスターコンクールで最優秀賞を受賞した。

 加代子さんは急性心筋炎で3月に発作を起こし、一時回復して学校に通い、ポスターを4月に描き始め、あと1日で完成するまでになっていたが、6月17日に再発、4日後に亡くなった。残された未完の作品を美術部の仲間が「のこしていきたい きれいな姿」の文字を入れて完成させ、コンクールの参加、それが見事に最優秀賞に入選した。

 浦田さんは以前、河川事業のコンサルタントの仕事に従事していた関係で、太田川の写真も撮っていた。加代子さんは父伸一さんの撮った写真を参考に、比治山の展望台から見下ろした京橋川の風景を描いた。水野雅光太田川河川事務所長は「審査の投票で断然トップの作品だった。あとで亡くなった方の遺作と聞いてびっくりした」と語った。


 浦田さんは本誌編集部に「この絵の持つ意味は天国に行った娘にしかわかりません。ごらんになる皆様がそれぞれに『自分なりの太田川』を描いていただければ幸いです。この絵が何らかの形で太田川の今後にお役立ちできる機会があったらと思案しています」という言葉を寄せられています。才能豊かな愛娘を失われた浦田さんのお気持ちを拝察し、心からご冥福をいのります。

(編集部)
 
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