●三代目春駒小林一彦のあしたはこっちだ(19)

 究極のクールビズは足元にあり 2005年8月 52号

 
 いつもはロクでもないことしかやらない政府であるが、今年はひとつだけ拍手したいアクションがあった。温室効果ガス削減の秘策として、環境省が中心となって提唱した、夏を涼しく過ごすための新しいビジネススタイル「クール・ビズ(COOL BIZ)」である。上着を脱いでネクタイを外せば、体感温度で2℃の差が出るらしく、冷房の温度設定も平均通常26℃を28℃まであげることが出来る。結果、ひと夏で約160〜290万トンの二酸化炭素を削減可能なのだとか。十数年前だったか当時の某総理が半袖の背広で自慢げに登庁し、普及を図ろうとしたがこれはコケた。バツグンにかっこ悪かったもんね(笑)。

 しかし、今年は違った。一般のサラリーマンはもちろん、大企業重役クラスもクールビズでキメているのを随分目にした。環境への配慮?いや、単に暑くてかなわんというのが本音だろうけど、きっかけはなんだっていいのだ。

 で、クールビズにして、だらしなく見えるかと言えば全然そんなことはなかった。各アパレルメーカーがファッション性の高いコレクションをリリースしたのも普及の大きな要因。カッコよくて心地よい、しかも環境への負担が軽減できる、こりゃ言うことありません。以前からこのコラムで俺が提唱していたように、「見た目の良さ」っつーもんはかくも重要なのである、あーこりゃこりゃ。

 そんな先見の明のある有能なクリエイター(俺のことです、テヘヘ!)がここでひとつ、さらに進化した究極のクールビズファッションを提言しよう。上半身はまぁこれでヨシ。しかし下半身がいけない。特にクツ。足が一日にかく汗の量は両足でコップ一杯分と言われている。この時期にコテコテの革靴じゃ足はムレまくり、クサイし、バクテリアも繁殖して水虫のもと。ヘタすれば「♪ツメの水虫見つけたら〜」と松平健が馬にのって駆け付けるという事態も予想される。そこでだ、この際思いきってビーサン(ビーチサンダル)にしてはいかがだろう(爆笑)。これなら足は常に外気に触れて爽やかだし、ニオイも発生せず、雨の日に濡れてもすぐ乾く。革靴を履くのに平均30秒はかかるが、ビーサンならわずか2秒で時間の大幅な節約になる。鼻緒を足の指に挟んでの歩行は、健康にもいいと聞いた。ディスクワークにも最適。デスクの下に水を張ったバケツを置いておき、暑くてやれん状態になったらビーサンをさっと脱いで足を突っ込むのである。これは涼しいぞ。仕事もはかどるし、クーラーなんていっそのこと切ってしまってもいいくらい快適なり。

 なぬ、冗談も休み休み言えって?わかっていらっしゃいませんな。拙者、先日、某大企業クライアントと打ち合わせするのについうっかりビーサン履いて行ってしまったのだが、指摘される前に自分の方から、
「すんません、今日はあまりに暑いもんで、足までクールビズっちゃいました」とビーサン見せたら大笑いしてくれて助かった。このようにクールビズはコミュニケーションの風通しも良くしてくれるのである?!
 
 
 
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