本川橋の右岸の袂にある護岸が一部崩れ、このまま放置しておくとさらに崩れる恐れがあるので、この護岸を市民の手で守り修復するシビックトラストが去る3月1日〜2日の両日行われました。これは太田川清流塾の「石垣講座」受講生とNPO法人雁木組の協働作業で行われたもので、両団体あわせて15〜6人の人々が、「石垣講座」を主宰する太田川上流安芸太田町の「山県石工」の伝統を継承する最後の棟梁、上本宏實さんの指導で両日とも朝9時から午後5時まで作業が続けられました。
修復する石垣は高さ90cm、長さ12m。船つなぎの杭石が3本残っています。
石の加工痕から100年以上昔に積まれたことが推定されます。
地元の古老のお話では、「昔は、広島湾の似島に北前船などが、生活物資を荷卸ろしして、そこから広島巾内に小さな船で運んでいた」ということで、近くには乾物や砂糖の問屋があったといわれます。またこの辺は川岸ぎりぎりまで家が立ち並び、川に向けて日当たりのよい座敷が設けられていた。また、家から川に降りる雁木の石段を結ぶ生活道路が中段にあり、子供の頃はそこから川に飛び込んでよく泳いでいたということです。
作業は近くにある石を組み立てて以前からの石組をそのまま再現するように上本さんの指図ですすめられましたが、作業もなれない人々ばかりで2日間かけても予定通りすすまず、3月15日〜16日に再び挑戦して完成させました。
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