みずべのいしぶみ

みずべのいしぶみ

上水路記念碑 (安芸太田町上殿)
 2008年 5月 第85号


 1931〜32年(昭6〜7)にかけて建設された農業用水路完成の記念碑です。隣には当時の村長、山根粛(しずか)翁の頌徳碑(昭・34建立)も建てられています。

 昭和6年といえば、昭和の農村恐慌の真つ只中。頌徳碑の碑文には、村長の山根氏が失業救済事業として水路建設を発起し、寺領川から2000間(約3・6q)の山の中に水路を完成させ、昭和7年には耕地整理をして20余町の開田をして水利、農産、食糧の不安を解いた、事業完成後も負債整理組合をつくって多くの村民の旧債を除いた、と記されています。


太田川は下の方に流れていても、山裾にある耕地には利用できないこの地にあって、山を越えた寺領川からの水は碑の下の水路を滾滾と流れ、今も20余町の水田を潤しています。

 
 
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