三次市で江の川と合流する西城川の自然、生物や流域の昔話、話題の人など、川とともに生きてきた人々の思いが詰まった本です。
一般には中国山地の山奥から流れる清流のイメージの強い西城川ですが、1972年(昭・47)の洪水以降川の様子が変わったといいます。
「森が荒れれば、川も荒れる…流域の人々は上流のゴギは絶滅寸前、アユの香りも味も落ちたと嘆いている」(本書、巻頭言より)
かつての少年、少女の時代から清流に親しんでこられた15人の方々が、それぞれ専門の分野から執筆され、西城川のすばらしさを浮き彫りにしています。特に元広島県水産試験場長の村上恭祥さんが、江の川のアユになり変り、アユ自身の語り囗で、河口から上流にいたるアユの一生を描いておられるのが、分かりやすく印象にのこります。 定価1680円
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