有機農業推進法が制定されて1年。これまで志をもった少数の農家の方々で進められてきた有機農業は国や県が推進に責任を持つことになった。これは設立以来35年の歴史を持つ日本有機農業研究会が行った4回にわたる専門識者の有機農業を理論的、科学的に裏付けた講演の記録である。@東京大学、熊沢喜久雄名誉教授=「物質循環の要としての土について」A筑波大学、西尾道徳教授=「上壌微生物と作物」B筑波大学、生井兵治教授=「有機農業のための育種、採種」C東京大学、杉山信男教授の「病害虫に負けない作物作り」いずれも講演の文章化なので、話し言葉で分かりやすい内容。有機農産物は味がよく貯蔵性もよいこと、堆肥による土作りで丈夫で健康に育った作物は害虫や病気にも強いことなどが理論的に証明されている。まさにこれからは有機農業の時代・食の安全を求める消費者は是非一読を!
(発売・農山漁村文化協会定価1750円) |