自然巡り   藤井直紀 2008年 4月 第84号


 【三十路かよ。】

  遠く遠く離れていても
  僕のことがわかるように
  力いっぱい輝ける日を
  この街で迎えたい・・・

 卒業の季節になると槇原敬之さんの「遠く遠く」という曲が頭の中に流れる。私もいつの間にか三十路になってしまった。業界では若手の部類であるものの、世間一般、特に十歳代の若者から見ればすでにオッサンだ。ふと周りにいる友人達をみるとみんなそこそこの立場にいるし、また、ふと生まれ育った故郷(宇品)に立ち寄ってみると、同級生が親となっていて子連れで歩いていたりする。それぞれみんな輝いている。私も輝かねばと思うのだが、なんだか空回りしているような気がして苦笑する毎日である。

 
【エコ番組】

 ところで話が急に変わるが、NHKは、2008年1月から「地球エコ2008」というキャンペーンを展開しているそうだ。そのためなのかやたらと「環境」をテーマにした番組が多い。「地球エコ2008」のホームページには環境カレンダーというページがあり、「環境」をテーマにした番組がリストアップされている。

 NHK以外の局でもやたらと「環境」を表題に入れた番組が多い気がする。今年夏に開催される洞爺湖サミットで、地球温暖化を中心とした環境問題が取り上げられることになっているため、その盛り上がりを期待してとの発信側の思惑があるのだろう。しかし、当の視聴者はそれにのっかっているふうでもない。私には「サミット」ってやはり政治畑の話っていうイメージがあるのだが、政治ネタなら今は「サミット」より「ねじれ国会」の方が話題としては大きい気がする。「総選挙」だってあるかもしれないし。

 話をエコ番組に戻すが、先日、テレビを見ていたらBSハイビジョンで「世界一周!地球に触れる・エコ大紀行」という番組をやるという宣伝が流れていた。この番組も「地球エコ2008」の一環らしい。番組紹介をみると、「二人の旅人(NHKアナウンサー)がそれぞれ北半球と南半球をぐるりと西回りで一周しながら、各地のエコツアーに参加し、その体験と感動を毎週VTRと中継で伝えていく」(NHK談)という内容だという。二人はそれぞれ世界各地15ヵ所の自然を楽しめるというわけだ。うらやましいかと問われたら、そうだと答えたいところだが、すぐに広島が恋しくなる私は一年間も世界旅行をするっていうのに耐えられない(苦笑)。なので答えは、「ノー」に限りなく近かったりする。

 この番組で旅人役を務めるのは、柴崎行雄さん(福岡放送局)という男性アナウンサーと田代杏子さん(大阪放送局)という女性アナウンサーだ。実は、女性アナウンサーの方は私の小学生時代の同級生である。小学校を卒業してから出会う機会がないのだが、元気で活躍しているようでなによりだ。どうやらテレビに映るような仕事をする夢は叶えたようだし。

 
【エコツーリズム】

 田代さん達の番組のタイトルである「エコツアー」。これが意外とはやりなのだ。私はついこの間まで知らなかったのだが、いつの問にか「エコツーリズム推進法」(平成19年6月成立、平成20年4月施行)という法律も出来ていたりするし、環境省のホームページにはエコツーリズム専用のページが開設されていたりする。2004年にはエコツーリズム推進事業なるものが動いている。また、エコツアー総覧というホームページにはすでに1000件を超える事業がリストアップされている。それほどに話題性がある。私はまだ「エコツーリズム」という言葉の概念を理解しきっていないが、概観すれば、「地域の自然と文化への理解を踏まえた旅のあり方」ということだろうか。面白い試みではあるが、気になる点がある。自然を相手にする以上、「絶対的な安全」はあり得ない。それぞれの生物が生死をかけた場であるので当然なんだが、「安全」に敏感な日本人はこの辺りの意識が低い気がする。

 さて、エコツアー旅人のお二人さん、専門のガイドがついてくるとはいえ、一歩踏み出すと危険がいっぱい。体に気をつけて、世界の地域(自然)の姿を茶の間に伝えていただきたい♪

 P.S.
 今回紹介したエコツアー番組は、NHK総合の深夜にも放送している。また、ブ囗グ(旅日記)もある。今回は友達風吹かせてちょっと宣伝してみた(笑)

 
 
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