みずべのいしぶみ

みずべのいしぶみ

魚介類慰霊碑 (広島市中区江波南1丁目 江波山気象館の近く)
 2008年 6月 第86号


 現在、三菱重工KK江波工場のある中区江波沖町(約43ha)が1940年(昭・15)に埋め立てられる工事着工の際に建立された碑。土の下に埋もれた魚貝藻類の慰霊碑です。

約2000戸、1万人の父祖伝来の魚場が失われたといいます。

碑に広島工業港とあるのは、当初は工場誘致と共に1万t級の船舶が繋留する工業港修築が目的だったためですが、着工後まもなく日米開戦、海軍の要請で造船所が建設され、戦後三菱重工に引き継がれました。

江波という地名は昔は、えば=餌場で、魚の餌が豊富だったことからついた地名だということです。

碑文は当時の相川勝六広島県知事が起工式でのべた式辞の一部を抜粋したもので「地下に埋没し生命を絶つ魚貝藻類その数を知らず…多年漁家の人為増殖して生活を支え来たりし物なれば、この魚場の異変は甚大なる影響を及ぼす・・」とあります。

 広島湾周辺には魚貝藻類の慰霊碑が3ヶ所ほどありますが、ここの碑が一番古いものでしょう。

 
 
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