みずべのぶんかざい

がんす
 2006年 8月 第64号


 可部の願船坊にゃあ聴聞ががんすかがんせんか。がんすならがんす、がんせんならがんせんと話もがんしょうが、がんすともがんせんとも話ががんせんけえ、がんせんのでがんしょうて


 願船坊(がんせんぼう)は可部の町中に品窮寺(ほんぐうじ)や勝円寺とともにある浄土真宗寺院ですがここでは単に「がん せん」の言葉にかけて使われているわけです。聴聞はお説教ですが、この早口言葉の盛んだった頃は聴聞のある日は仕事も休んで集まる人もあり、町村民のひとつの骨休みの社交場みたいになっていたようです。

 それとは別の話ですが、以前に、あるバスガイドさんからこんな話を聞きました。他県から来た観光団体のガイドをする時、ガイドの話を聞かないお客さんがいつもいるものです。今日は聞かないお客が多いなと思った時には、「広島方言にがんす言葉があります。それを早口言葉にしました。皆さんも一息で何回言えるか挑戦してみますか!」とこれを入れると、どんなお客もみんな乗って来ます。私の切り札です。

 ということでした。「がんす横丁」というのがあったように確かに広島の代表的な言葉の一つでしたが、今や死語となったみたいですね。
 
 
 
 
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