過去、3回にわたって「黒い雨」被害者の会が発行したこと3冊の小冊子には、原爆投下直後に行われた広島管区気象台、宇田道隆博士らの「黒い雨調査」の紹介に始まり、その後の被災者援護を要求する半世紀にわたる運動の展開が詳細に記録されている。
井伏鱒二氏の小説「黒い雨」は今村昌平監督の映画化などでもよく知られているが、その実像は正確に明らかになっているとはいえない。宇田調査が降雨地域をきれいな卵型になっていることから疑問を発し、再調査された増田博士の手記や被災者の証言が第2部と第3部にまとめられている。これを見てもまだまだ多くの被災者が放射能の内部被曝による障害の不安を抱えていることが分かる。被爆60年を機に、一読をお勧めしたい。
第1部(昭和57年発行)500円
第2部(平成1年発行) 500円
第3部(平成16年発行)600円
購入連絡先・松本正行さん |